特集コンテンツ

東京都立西高等学校 2023年出題傾向リサーチ

出題傾向リサーチ

英語

1 リスニング問題:小問数5

例年通り問題Aと問題Bに分かれています。問題Aは3つの対話文とその内容に関する質問がひとつずつ放送され、答えとして適切なものを選ぶ形式でした。問題Bは外国人の先生が中学生に向けて行ったスピーチについて、放送された質問に対して適切な答えを選ぶ形式と英語で記述する形式でした。

2 対話文の読解(約1060語):小問数12

国や文化によるコミュニケーションの取り方の違いについての対話文でした。本文の空所に適する台詞を選ぶ問1では、登場人物の会話においてすれ違いが起きていることを読み取る必要がありました。問4は英文で書かれた日記の空所に当てはまる語を答える問題でした。本文の内容理解だけでなく、文法知識が必要であることも都立西高の問題の特徴です。

3 説明文の読解(約810語):小問数8

需要が高まりつつある「代替肉」の利点や問題点について述べた説明文でした。本文中の空所に適する英単語を補充する問3や問4、問6は語彙の知識と文脈を正確に理解する力が同時に問われ、差がついたと思われます。問7は正しい英文の組み合わせを選ぶ形式の内容一致問題で、都立西高では頻出です。

4 説明文の読解(約1070語):小問数9

エジプトのアブシンベル神殿が過去に直面した問題と、その解決策に関する説明文でした。問4の空所補充問題は、文脈だけでなく品詞にも着目して考えられた受検生は素早く解答できたと思われます。問8の自由英作文は、外国からの訪問客に紹介したい日本の建造物や自然について、40語以上50語以内で記述するもので、標準的な難易度でした。

数学

1 小問集合

平方根の計算、二次方程式、確率、データの活用、作図と2022年と同じ構成の小問集合でした。〔問1〕から〔問4〕までは標準的な難度でしたが、〔問5〕の作図は方針が立てづらかったと思われます。時間をかけすぎずに後回しにするのもよいでしょう。

2 二次関数

〔問1〕は2点間の距離、〔問2〕は三角形の面積、〔問3〕は回転体の体積を求める問題でした。いずれも座標平面の問題としては典型的でしたが、座標に無理数を含むことで計算が多少煩雑になるため、丁寧に処理をして完答を目指したい大問でした。

3

円と相似をテーマとした問題でした。〔問1〕は長さを求める基本問題であり、〔問2〕も高校入試における典型問題なので、確実に正解したいところです。〔問3〕の証明問題は、あまり出題されない形式であり、自分で補助線を引く必要もあったため、方針を立てるのに苦労した受検生が少なくなかったと思われます。

4 文章題

1からnまでの連続する数字を並べ替える問題でした。〔問1〕は確実に正解したいところです。〔問2〕も操作の仕組みと条件を理解すれば正答を導くのはそこまで難しくありません。落ち着いて取り組みたいところです。〔問3〕は文中のいくつかの事例から、ある典型問題との類似点に気がつけば正解できたことでしょう。この大問に残せた時間によって、得点に差がついたと思われます。

国語

1 漢字の読み取り

三字熟語1問を含む計4問が出されました。いずれも標準的な難度のものでした。

2 漢字の書き取り

慣用表現として使われるものや、問われている熟語が何を意味するかを考える必要があるものが出されました。

3 碧野圭『凜として弓を引く』

弓道に取り組む高校生の主人公を描いた小説文からの出題です。会話を多く含む平易な表現で書かれた文章のため、読みにくさはありません。2022年同様、心情変化を問う記述が出されています。2023年は80字以内と制限字数は増えていますが、登場人物の心情がきちんと掴めていれば短時間で解答を作成することが可能です。記号問題もまぎらわしい選択肢はなく、手早く解答することが求められました。

4 千葉眞の文章

脱成長論について述べられた論説文からの出題です。中学生にとってなじみのないテーマであることに加えて注釈が多く、参照しながら読解するのに苦労した受検生もいたことと思います。記号選択問題では判断に迷う選択肢が含まれるため、丁寧に検討する必要がありました。例年通り、自分の考えを述べる条件作文も出されているため、全体的に時間のかかる大問と言えます。

5 縄田雄二『モノと媒体の人文学』

漢詩とその解説を通じて、人文学が取り組むべき内容を述べた文章からの出題です。大問4同様、注釈が多く、丁寧に読解する必要がありました。設問は抜き出し1問以外は記号選択が中心です。文中に出てくる人物や学問の特徴を正確に読み取れたかどうかが問われました。