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神奈川県公立高等学校(特色検査) 2023年出題傾向リサーチ

出題傾向リサーチ

自己表現検査(60分)

神奈川県は2019年から上位校の特色検査(自己表現検査)の出題方法を、それまで学校がそれぞれ作成していた自校作成形式から変更しました。2023年には学力向上進学重点校5校(横浜翠嵐、湘南、柏陽、厚木、川和)と学力向上進学重点校エントリー校13校(横浜平沼、横浜緑ケ丘、光陵、希望ケ丘、多摩、横須賀、平塚江南、鎌倉、小田原、茅ケ崎北陵、相模原、大和、横浜国際)の計18校の県立高等学校において、「共通問題」と「共通選択問題」を組み合わせて実施しました。

以上をふまえて、2023年の主要校の出題をまとめました。学校が異なっても、すべての大問が同じになる場合があります。

それぞれの大問の出題内容は、以下の通りです。例年同様、数学に関する問題が多く、さらに2023年は理科に関する出題も多かったため、理系科目の力が重視されていることが分かります。2023年は技能4科目に直接関係した出題はありませんでした。

共通問題 問1【英語】【社会】

燃料としてのガソリンと電気に関する、英語の会話文2つと発表原稿、合計3つの文章を読んで設問に答える大問でした。例年通り、問われている内容を先に確認してから、該当箇所を探しつつ読み取らなければ、解くのに時間のかかる問題でした。(ア)は会話文から必要な数値を抜き出して計算する必要がありましたが、算数レベルの計算で、解きやすいものでした。(イ)は該当する地域を選ぶ問題で、実際の地理的な事情と英文で読み取った内容を照らし合わせて答えを導くものでした。

共通問題 問2【数学】【国語】【理科】

ホタルに関する2つの文章と資料を読んで設問に答える大問でした。(ア)は文章の空欄部に当てはまる選択肢を答える問題で、適切な俳句を選ぶものは、難度が高かったと言えます。(ウ)は資料の箱ひげ図をもとに、考察文の空欄を埋める問題で、図の数値から光の強さの変化を読み取れたかどうかがポイントでした。

共通選択問題 問3【数学】【国語】【理科】【社会】

花火に関する2つの会話文を読んで設問に答える大問でした。(イ)は与えられた4つの絵をもとに会話文の空欄部を埋めていく問題でした。会話文を丁寧に読み進めながら、内容と一致する絵と言葉を選択する必要がありました。(ウ)は花火の歴史について書かれた文章を年代順に並べ替える問題で、近世から現代と広い範囲から出されました。(エ)は立体図形の影に関する問題で、類題を解いた経験があるかどうかで差がついたと思われます。(カ)と(キ)は理科の問題で、物体の運動や、力の合成について基礎が理解できていれば対応が可能でした。

共通選択問題 問4【数学】【国語】【理科】

(ア)は、説明文や表の空欄に当てはまる文章や言葉を選択する問題、その他は誕生日当てゲーム、座標平面上の正方形の数、席替えなどをテーマとした数学に関する問題でした。(ア)の(ⅱ)は選択肢の単語の明確な違いを把握していなくても、例の文章からあてはまるものを選択することが可能でした。(エ)の席替えに関する問題は、表の移動先をもとに規則性に気づけたかどうかがポイントでした。

共通選択問題 問5【数学】

問題の正解数、立体図形の頂点の着色、長方形内の動点に関する大問でした。(ア)は問題文をもとに矛盾点などに注目して正解を導く問題で、特色検査では頻出のものでした。(イ)は回転して同じ位置になるかどうかを考察する必要があり、難度の高いものでした。(ウ)は点の動きが規則的なので、類題を解いたことがあれば解法に悩むことはなかったと思われます。

共通選択問題 問6【数学】【理科】

休日の過ごし方に関する会話文を読み、身のまわりの現象や道具についての設問に答えていく大問でした。(イ)の(ⅰ)はパラボラアンテナを向ける方位と都市ごとの設置角度に関する問題で、光の反射の類題として対応可能でした。(ⅱ)は反射と二次関数の接線に関する問題で、補助線を引き、対称性を利用して丁寧に処理していく必要がありました。(エ)は与えられた問題文と図からキッチンスケールの仕組みを十分に理解する必要があり、正誤判断が困難な選択肢も含まれていたため、非常に難度が高い問題でした。

共通選択問題 問7【理科】【社会】

サンゴ礁と鉱産資源についてまとめた2つの資料に関する大問でした。(ア)はサンゴ礁の地形に関する問題で、模式図と問題文を丁寧に照らし合わせて正しい地形を選択する必要がありました。(ウ)は海流とサンゴ礁の分布に関する問題で、暖流と寒流の流れ方を思考して解く必要がありました。(オ)はイオン化傾向の問題で、電気分解の類題を解いた経験があれば対応しやすかったことでしょう。