筑駒高校 2025年入試 数学解答速報・教科別分析
教科別入試問題分析
2025/2/13(木)に実施された筑駒高校入試について、数学の解答速報を掲載しています。
筑駒高校 2025年 教科別入試問題分析
英語

1 リスニング問題:小問数7
例年通り問1と問2に分かれています。問1は短文の書き取りが2問で、放送はそれぞれ2回ずつ流れます。問2は物語文の内容に関する英語の質問に日本語で答える問題が4問と、記号選択問題が1問です。放送回数は1回のみです。
2 物語文の読解(約990語):小問数10問
2人の若い女性による、誕生日プレゼントについてのやり取りが中心の物語文でした。登場人物の思惑を把握しながら読み進める必要のある、筑駒高ならではの特徴的な内容でした。問5や問7は心情把握の問題で、主人公たちの駆け引きを正確に読み取る必要がありました。また、どちらも30字以内の日本語で説明しなければならず、要点を簡潔にまとめる高い記述力が求められました。
3 物語文の読解(約640語):小問数7問
久しぶりに再会する父と息子の、レストランでの昼食の場面を描いた物語文でした。父親の傍若無人な行動の理由が物語の最後まで明かされないため、展開が分かりづらいと感じた受験生もいたと思われます。問1は、父親の言動・行動の意図を説明する英文を、適切な3語を補って完成させる問題で、場面の状況について深く考察する必要がありました。問6は主人公の心境の変化を50字以内の日本語でまとめる問題ですが、本文中の抑えるべきポイントが見つけやすく、書きやすい問題でした。
4 自由英作文:小問数3
Equality(平等)、Equity(公平)、Reality(現実)について、それらを表す英文と絵をもとに考える問題でした。①は絵の内容を表す英文の空所に当てはまる語句を答える問題でした。②は絵が表す内容について、現実と照らし合わせて自分の考えを35語~45語で記述する英作文でした。現代が抱える社会問題に関係する内容であり、普段からそのような問題に対する視点を持っているかがポイントでした。
年 | 長文読解 | 記述 | 文法 | リスニング | 発音・語彙 | |||||
① | ② | ③ | ④ | 日本語 | 英語 | 大問 | 長文内 | |||
2025年 | 物語文 | 物語文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ||
2024年 | 物語文 | 物語文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ||
2023年 | エッセイ | 物語文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ||
2022年 | 物語文 | 物語文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ||
2021年 | 物語文 | 物語文 | - | - | ● | ● | ● | ● |
数学

1 二次関数
例年通り二次関数の出題で、台形の二等分についての問題でした。筑駒高の受験生であれば、どの小問も方針に迷うことなく対応したいところです。
2 整数
互いに素な整数の個数を求める問題でした。テーマとしては有名なので、類題を解いたことがある受験生は多かったと思われます。(3)までは対応したいところですが、(4)は複数解答で慎重に調べる必要があるので完答できた受験生は少なかったことでしょう。
3 空間図形
正八面体の1つの面を下においたときの図形を考察する問題でした。過去の入試問題でも同様の出題があったため、しっかり対策をしてきた受験生であれば方針は立ったと思われます。ただし、計算が煩雑になるため限られた時間内で正確に解くことができたかどうかがポイントでした。
4 平面図形
塀の外側から円形のドーム内を見るという設定の問題でした。見慣れない設定に戸惑った受験生も多かったと思われますが、落ち着いて条件を理解して(1)(2)は対応したいところです。(3)はさらに注意深く解く必要があるため、最後まで解ききれた受験生は多くなかったと思われます。
年 | 計算問題 | 整数 | 作図 | 証明 | 文章題 | 円 | 平面図形 | 関数 | 二次関数 | 場合の数 | 確率 | データの活用 | 空間図形 | 球 |
2025年 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||
2024年 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||
2023年 | ● | ● | ● | ● | ||||||||||
2022年 | ● | ● | ● | ● | ||||||||||
2021年 | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
国語

1 山内朋樹『庭のかたちが生まれるとき』
2024年に新たに導入された行が分けられた記述解答欄が2025年も踏襲され、全体の文章量や記述量も2024年と同等のものでした。大問1は、建設の現場において設計図が果たしている働きについて考察した論説文からの出題でした。論旨は明快で読み取りづらさはありません。4問出された記述は、設問の意図を十分に理解したうえで詳しく記述する必要があり、差がついたものと思われます。5問出された漢字の書き取りは、いずれも標準的な難度で、失点は最小限にしたいところです。
2 折坂悠太『折坂悠太(歌)詞集』
シンガーソングライターの筆者による、反戦デモに参加したときの違和感や、反戦をテーマにした自作の歌詞についての感慨を述べた随筆文からの出題でした。文章は長くはないものの、全体にわたって歌詞からの引用や複雑な比喩表現が多く、筆者のメッセージをとらえるには丁寧な読解が求められます。4問出された記述は、いずれも文章内容の深い理解が求められる難問で、苦戦した受験生が多かったものと思われます。
3 『無名抄』
自分の歌が勅撰集に入集することの受け止めについて、著者が琵琶の師匠と交わした会話を中心とした文章からの出題でした。古文の学習を十分に積み重ねていれば、大意を掴むのは難しくありません。2問出された記述では、解答の根拠となる部分の意味を正しく訳したうえで詳しく書けたかどうかが試されました。そのほか、仮名遣いと記号選択が各1問出されましたが、基礎的な内容でした。3題を通して、45分の試験時間に対して記述量が多めで、手早く解答をまとめる練習が不可欠です。
年 | 文章1 | 文章2 | 文章3 | 文章4 |
2025年 | 山内朋樹『庭のかたちが生まれるとき』 | 折坂悠太『折坂悠太(歌)詞集』 | 『無名抄』 | - |
2024年 | 佐々木健一『経験としてのエイジング』 | 最果タヒ『不満でいたい』 | 『玉勝間』 | - |
2023年 | 須藤靖の文章 | 奈倉有里『ゲルツェンの鐘が鳴る』 | 『蒙求和歌』 | - |
2022年 | 宮野真生子の文章 | 乗代雄介『旅する練習』 | 『増鏡』 | - |
2021年 | 村田沙耶香の文章 | 『枕草子』 | - | - |
理科

1 化学変化(化学)
化学変化に関する典型的な計算問題でした。難度は標準レベルで、近年の筑駒高の化学分野の出題傾向に沿ったものでした。類題を解いたことがある受験生が多いと思われるので、落ち着いて対処して全問正解を目指したい内容でした。
2 植物、生態系、進化(生物)
植物に関する知識問題がほとんどでした。加えて、分解者と進化に関する知識問題が1問ずつ出ました。植物の分類に関する基礎知識が不完全だと、大きく失点してしまう内容でした。また、例外的な生物を題材としていることから、ミスをしやすいつくりとなっていました。細かいところまで検証する注意深さが求められました。
3 仕事、力、エネルギー(物理)
仕事に関する基礎~標準レベルの計算問題と、力やエネルギーに関する基礎レベルの知識問題でした。条件の読み取りや整理を丁寧に行う必要がありました。また、4は、2022年に他の国立大附属校で同じ実験を題材とした出題がありました。取り組んだ経験のある受験生は有利だったでしょう。
4 地震(地学)
地震に関する基礎~応用レベルの知識問題と、その場で考えるタイプの計算問題でした。計算問題は工夫して短時間で処理できるかがポイントでした。
5 天体(地学)
彗星の見え方に関する問題で、題材は過去の筑駒高で何回か出されているものでした。2の南半球からの天体の見え方は、難関校の入試ではよく問われる観点なので、類題の演習を通して理解していれば対応しやすかったでしょう。
年 | 物理分野 | 化学分野 | 生物分野 | 地学分野 |
2025年 | 仕事、力、エネルギー | 化学変化 | 植物、生態系、進化 | 地震、天体 |
2024年 | 電流、磁界 | 化学変化 | 人体、動物、遺伝 | 天体 |
2023年 | 電流、磁界 | 中和、電気分解 | 細胞、動物 | 地質 |
2022年 | 運動 | 中和、化学電池 | 細胞、生態系 | 天体、地質、天気 |
2021年 | 浮力、光 | 化学変化、水溶液 | 遺伝、人体 | 地質、天体、天気 |
社会

1 歴史総合
明治時代の日本人に関する文章を題材として、古代から現代までの日本史と世界史が幅広く問われました。資料を用いた出題は1つもなかったものの、日頃の学習で教科書や資料集に掲載されている資料(史料)を細部まで確認しているかどうかを試すものが多く出されていました。一方で例年のように多くの年号を覚えていなければ対処できない、高いレベルで年代把握を試すものはなく、また「すべて」や「3つ以上」の選択肢を選ばせるものもなかったため、多くの受験生にとっては取り組みやすい大問でした。
2 地理総合
人口と食糧問題を題材とした世界地理・日本地理の総合問題でした。世界地理・日本地理ともに地図の出題はなく、選択肢の文から地形や気候を思い浮かべてその正誤を判断する必要がありました。文章記述問題は、他の学校の入試問題でも頻出のテーマではあったものの、定番のものとはやや異なった角度からの問いであったため、出題者の意図や字数制限を考慮して冷静に対処する必要がありました。統計から国を判断する問題は、定番のものであり、例年通り取り組みやすく、確実に得点する必要がありました。
3 公民総合
消費に関する文章を題材とした公民の総合問題でした。長期間に渡って時事の推移を追う社会への関心や、時事に対して自分なりの知見を持っているかどうかが試される筑駒高らしい大問でした。一方で知識の定着を試すものは、政治に関する1問のみであったため、単元学習に力を注ぎ、演習量を積んできた受験生にとっては報われない大問となってしまいました。冒頭の文章で説明されている内容を正確に読み取り、選択肢から同様の例を探し出すものは、筑駒高では定番のため、その形式に慣れておく必要がありました。
年 | 日本地理 | 世界地理 | 日本史 | 世界史 | 政治 | 経済 |
2025年 | 人口・地形・気候 | 気候・各国の地誌 | 古代~現代 | 古代~現代 | 国際政治・選挙・人権 | 消費・環境 |
2024年 | 観光・地形・気候 | 地形・気候・産業 | 古代~現代 | 古代~現代 | 国際政治 | 環境 |
2023年 | 地形・都市 | 貿易 | 古代~現代 | 古代~現代 | 憲法・人権・国会 | 財政・消費 |
2022年 | 静岡県 | 各国の地誌・エネルギー | 古代~現代 | 古代~現代 | 国際政治 | 消費・価格・企業・環境 |
2021年 | 統計(人口) | 自然・世界の都市 | 古代~現代 | 古代~現代 | 人権・国会 | 企業・財政・社会保障 |
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