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西大和学園高校(県外)2025年 教科別入試問題分析

教科別入試問題分析

英語

1 リスニング問題:小問数8

例年通り、2人の人物による対話文を聞いて、2つの設問に答える形式でした。設問Aは4つの質問に対する適切な答えを1つずつ選ぶ問題で、対話文と質問は2度放送されます。設問Bは4つの短い英語の会話表現それぞれについて、対話相手である日本人女性が知っていたかどうかを判断する問題でした。

2 並べかえ英作文:小問数3

日本文の意味に合うように、与えられた語句を並べかえて英文を完成させる問題でした。接続詞、関係代名詞など標準的な文法知識が問われました。与えられている日本文と完成する英文が直訳の関係になっていないものへの対応力が必要とされました。

3 和文英訳:小問数3

与えられた日本文を英訳する問題で、2024年と同様、それぞれの文は独立した内容でした。設問③では間接疑問文が問われ、時制、訳し忘れなどにも注意を要しました。

4 説明文の読解(約720語):小問数8

近年話題に出る「空飛ぶクルマ」についての説明文でした。問題形式は多岐にわたっており、英語の総合力が求められています。5年ぶりに読解問題中に並べかえ英作文が出されました。日本語は与えられていないものの、解きやすいものでした。5つの英文を並べかえる問7は、接続詞のつながりに注意して考える必要がありました。

5 物語文の読解(約820語):小問数12

園芸が得意ではないものの、トマトの栽培にいそしむ女性についての物語文でした。問2は、下線部の内容を日本語の選択肢から答える問題でしたが、英文中の省略されている内容を推測する力が求められました。下線部の状況を説明した日本語を選ぶ問5は、該当する段落全体の情景を正確に捉え、選択肢を吟味する必要があり、難問でした。

長文読解 記述 文法 リスニング 発音・語彙
日本語 英語 大問 長文内
2025年 説明文 物語文  
2024年 説明文 物語文    
2023年 説明文 物語文    
2022年 説明文 物語文    
2021年 説明文 物語文    

数学

1 小問集合

(1)因数分解、(2)不定方程式、(3)確率からなる小問集合でした。(3)は小問が4問で、全部で6問構成でした。(1)は乗法公式を利用する形を思いついたかどうかで差がつく問題でした。(2)(3)は標準的な難度ですが、個数を求めたり、複数のパターンを考えたりする必要があるため、答えに自信を持てなかった受験生もいたかもしれません。

2 図形系小問

(1)面積比、(2)直方体の切断、(3)証明が出題されました。(1)(3)は標準的な難度ですが、(2)は直方体を複数回切断してできる立体の体積をそれぞれ調べる必要があり、問われている立体を正確に把握する力が求められました。

3

内接する大小2つの円を利用して、長さや面積比を調べる問題でした。(1)は接線の性質を利用することで手早く処理することができます。(1)(2)が(3)を解くための誘導になっているので、丁寧に解き進め完答を目指したいところです。

4 二次関数

放物線と図形の融合問題でした。(2)は解法によって計算量に差が生まれることに加え、煩雑な数式を処理しなければならないため、正答を導き出せた受験生は多くなかったことでしょう。しかし、(3)は典型問題で、(2)の答えは利用しません。問われている内容を確認し、落ち着いて取り組めたかどうかで、差がついたことと思われます。

計算問題 整数 作図 証明 文章題 平面図形 関数 二次関数 場合の数 確率 データの活用 空間図形
2025年            
2024年              
2023年        
2022年        
2021年              

国語

1 戸谷洋志『未来倫理』

西洋近代社会の成立とともに変化した「技術観」を、複数の哲学者の思想を例に挙げながら論じた文章でした。「科学技術」「哲学」に関連する文章は高校入試では頻出なので、読解の訓練を重ねてきた受験生にとっては読み取りにくさはなかった思われます。記号選択は、傍線部付近の内容を把握することで解答できる標準的な難度でした。字数制限のある記述が3問出されています。的確に解答の方針を立てて、盛り込む内容を判断する必要があり、差がついたと思われます。漢字の書き取りは、標準的レベルの難度ですべて正解したいところでした。

2 南綾子の文章

社会人になり、家庭や職場で挫折を経験した主人公が、車いすバスケットボールの試合を見て感化される様子を描いた小説文でした。回想場面は変わり目が明確であり、また表現も分かりやすく、文章に読み取りにくさはありません。記号選択は傍線部や波線部付近の心情が読み取れていれば解答できる難度で、制限字数30字の記述も解答の方針は立てやすいものでした。大問3の難度を考えると、この大問では時間をかけすぎずに解き終えたいところでした。

3 『石清水物語』

鎌倉時代に成立した作品からの出題でした。文章は約2ページで例年と比べると長めで、比喩的な表現も多く、高難度です。また小問数も計16と例年より多く、文章要約の記述も出されているので、時間内に処理しきれず苦しんだ受験生も多かったと思われます。古文の訓練をどれだけ積んだかで大きく差がついたと考えられます。基礎レベルの知識については失点を避けたいところでした。

文章1 文章2 文章3 文章4
2025年 戸谷洋志『未来倫理』 南綾子の文章 『石清水物語』
2024年 阿古真理の文章 三羽省吾『厭世フレーバー』 『堤中納言物語』
2023年 みうらじゅん『マイ仏教』 宮木あや子『手のひらの楽園』 『大鏡』
2022年 中島敬介の文章 尾崎世界観の文章 『落窪物語』
2021年 村上陽一郎『死ねない時代の哲学』 宮下奈都『スコーレNo.4』 『堤中納言物語』

理科

1 天体(地学)

太陽をテーマとして扱った問題です。細かな知識や図の読み取りを要する内容で、類題の演習経験によって解きやすさに差が生じたと思われます。過去の入試問題においても同様のテーマが出題されており、十分に対策した受験生であれば対応しやすかったでしょう。

2 音(物理)

音に関する問題です。受験生にとってやや見慣れないテーマが扱われていて、状況変化を正確に把握しながら解き進める必要がありました。高度な思考力が求められる問題で、難度の高い内容だったと言えるでしょう。

3 動物(生物)

動物に関する総合問題です。前半は基礎から標準レベルの知識を問う内容で、取りこぼしは最小限に抑えたいところです。後半はチョウの行動に関する実験データを読み取って解き進める、思考力を要する内容でした。実験内容の文章量が多く、記述問題が出されたものの、読み解きにくいものではなかったため、落ち着いて取り組みたいところです。

4 化学変化(化学)

鉄と硫黄の化合の実験に関する問題です。(6)までの知識と計算問題は基礎レベルの内容なので、取りこぼしなく解ききりたいところです。(7)は標準から発展レベルの内容で、問題の設定を確認しながら数値を丁寧に処理する必要がありました。比を扱った計算の習熟度によって得点差が生じる問題でした。

物理分野 化学分野 生物分野 地学分野
2025年 化学変化 動物 天体
2024年 電流 気体、化学変化 微生物、顕微鏡、動物、生殖 地質、岩石
2023年 力、運動とエネルギー 気体、化学変化 遺伝 岩石、火山
2022年 電流 化学変化 微生物、細胞 天気
2021年 電気分解 動物、植物、細胞 地質

社会

1 世界地理

統計を分析する問題や正誤問題などさまざまな形式で問われ、言語や宗教などに関して歴史的背景も含めて理解しているかどうかが試されました。正誤問題では6~9択の選択肢を判断するものも複数あり、正確な知識が求められたものの、標準的なレベルの問題が中心であったため、確実に得点したい大問でした。

2 日本地理

過去の入試問題にも出された地形図やハイサーグラフなどを用いたものが、2025年も見られました。ほかの学校の入試問題では頻出ではないものの、出題傾向をふまえて準備していた受験生であれば対応できるものでした。文章記述の問題は、要点を的確にとらえて指定字数内でまとめることが難しいものでした。

3 歴史総合

日本史とそこに付随する世界史について各年代まんべんなく出題されました。教科書に掲載されている標準的な知識で対応できるものがほとんどでしたが、選択肢の多い正誤形式の問題や、資料や会話文を読み取って解答するものがあり、正確に知識を運用する力が試されました。前述の点や問題数が多い点から、すべての大問の中で最も得点差がついたと思われます。

4 公民総合

2024年の出来事を題材とした政治、経済、国際に関する出題でした。時事に関するものやニュースでよく耳にする用語が問われ、受験生の興味関心の深さを測る問題が出されました。

日本地理 世界地理 日本史 世界史 政治 経済
2025年 地形図・気候・産業 世界地理総合 古代~現代 近世~現代 憲法 家計・金融・財政
2024年 電力 世界地理総合 古代~現代 中世~現代 国際政治・社会保障 為替・貿易・社会保障
2023年 地形図・気候 世界地理総合 古代~現代 古代~現代 選挙・地方自治・憲法 為替・貿易
2022年 地形図・気候 世界地理総合 古代~現代 古代~現代 国会・内閣・国際政治 労働・価格
2021年 都道府県・地形図 世界地理総合 古代~現代 中世~近代 選挙・裁判所・国際政治