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早稲田実業学校高等部 2025年 教科別入試問題分析

教科別入試問題分析

英語

A 並べかえ英作文:小問数4

日本文に合うように英単語を並べかえる形式が2年連続で出題され、与えられた語を使って文を組み立てる力が問われました。

B 正誤問題:小問数3

誤りを含む箇所を選んで訂正する形式が3年連続で出題され、標準的なレベルの文法知識が問われました。

C 和文英訳:小問数2

2024年と同じ形式の英訳問題でした。(2)では与えられた日本文の一部が英語で与えられていて、それをもとに英文を検討する必要がありました。

D 説明文の読解(約620語):小問数13

科学に関する迷信についての説明文でした。本文の空所に入る英語を10語以内で答える問3は、空所を含む段落全体の内容を踏まえて英文を考える必要がありました。

E 説明文の読解(約750語):小問数10

中国から陸と海の2つのルートで伝播した「お茶」の呼び方に関する説明文でした。ある理由を日本語で説明する問2は根拠が遠くにあり、探すのに苦労した受験生が多かったと思われます。

F 物語文の読解(約1050語):小問数16

貧しい男と怪物のある約束をめぐる物語文でした。与えられた日本文の空所に適する内容を入れる問3は字数制限があったため、簡潔にまとめる必要がありました。

G リスニング問題:小問数11

試験開始52分後からの実施でした。3つのパートで構成されていて、Ⅰの対話文では選択問題が出され、放送回数は1回のみでした。Ⅱでは講義の内容について選択問題と日本語で答える問題が出され、Ⅲでは対話文の内容について選択問題と空所補充問題が出され、放送回数はそれぞれ2回でした。

長文読解 記述 文法 リスニング 発音・語彙
日本語 英語 大問 長文内
2025年 説明文 説明文 物語文
2024年 説明文 物語文 エッセイ  
2023年 説明文 説明文 物語文  
2022年 説明文 説明文 説明文  
2021年 説明文 物語文

数学

1 小問集合

(1)因数分解、(2)連立方程式、(3)データの活用、(4)作図の4問からなる小問集合でした。(2)は係数に無理数を含んでいましたが、工夫することで容易に解くこともできました。(3)は見慣れない条件設定の問題で、戸惑った受験生もいたかもしれませんが、この小問も含めて、いずれも難度は高くなく、着実に得点したい大問でした。

2 確率、空間図形

(1)①、②はさいころの確率、(2)①、②は三角柱の辺上の点を結んでできる正三角形についての問題でした。(1)はどちらも典型問題であり、解法に悩まず取り組めたことでしょう。(2)は①の意図に気づくことができればスムーズに取り組めたはずです。

3 平面図形

同一線分上に並ぶ2つの正三角形を用いた問題でした。(1)(2)は早実高の受験生であれば類題を解いた経験もあったことでしょう。(3)は線分の長さを求める問題でしたが、解法に悩んだ受験生もいたかもしれません。(1)(2)を手がかりに正解にたどり着きたい問題でした。

4 二次関数

放物線とそれに接する直線についての大問でした。(1)は解法を記述する必要がありましたが、難度は高くありません。(3)は問題設定がやや複雑でしたが、問われている内容自体は標準的ですので、落ち着いて丁寧に取り組みたいところです。

5 整数

与えられた式が素数になる場合について考察する大問でした。(1)は典型問題ですので手早く解ききりたいところです。(2)は適切に場合分けができるかどうかが鍵でした。

計算問題 整数 作図 証明 文章題 平面図形 関数 二次関数 場合の数 確率 データの活用 空間図形
2025年          
2024年          
2023年        
2022年            
2021年          

国語

1 神西清『母たち』

亡き母との苦い思い出や、内向的になっていった少年時代について語る主人公を描いた小説文からの出題です。屈折した心理を硬質な文体で綴ったもので、内容、表現ともに読み取りづらさのある文章です。設問はすべて記号選択で、ほとんどが文章内容の理解に関するものでしたが、判断に迷うものが含まれ、文章自体の難しさも相まって、この大問は苦戦した受験生も多かったのではないかと思われます。物語の展開をとらえ、選択肢を丁寧に検討していきたいところです。

2 中屋敷均『わからない世界と向き合うために』

人が人を評価することの難しさについて述べた論説文からの出題です。親しみやすいテーマを扱った平易な文章で、具体例も多く、読み取りには苦労しません。例年同様、字数制限のある記述が出されています。やみくもに書いても得点には結びつかないので、指定語句をふまえつつ、書くべき内容をよく吟味する必要があります。漢字の書き取りが2問、読み取りが1問出されましたが、いずれも基礎的なレベルのものだったので失点は避けたいところです。

3 『横笛草紙』

男からの恋文を読む侍女を描いた古文からの出題です。設問はすべて記号選択で、表現や和歌の解釈を問うものも含まれていますが、いずれも本文の内容を正しく理解できていれば対応可能なものです。文学史や古文単語の知識も標準的な難度であり、ここは堅実に得点したい大問でした。全体を通して、大問構成も設問構成も、おおむね例年の傾向を踏襲したもので、過去の入試問題を解いてきた受験生であれば、落ち着いて解き進められたと思われます。

文章1 文章2 文章3 文章4
2025年 神西清『母たち』 中屋敷均の文章 『横笛草紙』
2024年 大江健三郎『数十尾のウグイ』 國分功一郎『目的への抵抗』 『今昔物語集』
2023年 又吉栄喜『カーニバル闘牛大会』 佐藤弘夫『死者と神の行方』 『風姿花伝』
2022年 阿部知二『地図』 藤田政博『バイアスとは何か』 『十訓抄』
2021年 吉野せい『洟をたらした神』 池内了『なぜ科学を学ぶのか』 『奥の細道』