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西大和学園高等学校(本校) 2024年出題傾向リサーチ

出題傾向リサーチ

英語

1 リスニング問題:小問数5

放送される対話文を聞いて設問Aと設問Bに答える形式でした。設問Aは、例年通り英語の質問に対して適切な答えを選択する問題でした。設問Bは、電動キックボードの利点として適さないものを選択する問題でした。

2 適語句補充選択・並べかえ英作文:小問数8

設問Aは、英文内の空所に入る適切な語句を選択する形式で、動詞の語法や似た意味の単語の区別など細かい知識が必要でした。設問Bの並べかえ英作文では、仮定法を問うものも出題されました。

3 和文英訳:小問数3

例年通り、下線部の日本語を文脈に合うように英語に直す形式でした。話し言葉で書かれた日本語を、時制に気をつけながら英語で正確に表現できるかどうかが試されました。

4 説明文の読解(約690語):小問数8

外気温とホームランの出やすさの関係についての説明文でした。下線部の内容を具体的な日本語に訳す問1や下線部の理由を35字以上45字以内で答える問5では、大局的な視点が求められました。対照的に、問3や問6は純粋に文法力を問うものだったので確実に正解したいところです。

5 物語文の読解(約580語):小問数11

主人公とその友人が黒魔術の歴史を研究している男に恨みを持たれる物語文でした。本文内の空所に適する登場人物を選ぶ問3では、文章の流れから登場人物の関係を正確に整理する必要がありました。また、問5では語彙、代名詞の知識を用いて場面を想像しながら和訳する力が求められました。長文全体の語数が2023年から550語以上減少したので、答えを吟味する時間は十分にあったと思われます。

数学

1 小問集合

(1)(2)式の値、(3)サイコロの確率、(4)一次関数、(5)連立方程式の5問構成でした。(3)は問題文の条件に注意して丁寧に数え上げることが求められました。(4)(5)は解法によっては作業量が多くなるので、適切な解法を選択できたかどうかが鍵だったと思われます。

2 図形系小問

(1)正三角形の折り返し、(2)直方体内部の三角錐、(3)三角形の合同の証明という問題構成でした。どの小問も難度は標準的なので、西大和学園高の受験生であれば、完答も十分に狙える大問でした。

3 二次関数

放物線とy軸上に頂点をとる三角形についての問題でした。図が与えられていないものの、シンプルな設定なので、(1)(2)は確実に正解したいところです。(3)は類題を解いた経験があるかどうかで差がついたことでしょう。

4 直線図形

等しい長さの辺をもつ四角形についての問題でした。小問が5問あるので、1問1問手早く解き進めていきたいところです。(5)は四角形を回転させてできる立体の体積を求める問題でした。西大和学園高では2022年から毎年出題されている内容です。問題文で与えられている条件を読み取り、回転体の形を正しく捉えることがポイントでした。

国語

1 谷川嘉浩『スマホ時代の哲学』

スマホが現代人に与える悪影響について論じた文章からの出題でした。身近なテーマで、内容は把握しやすかったと思われます。字数制限のある記述が2問出されています。傍線部の分析に基づき、どこまでの内容を盛り込むべきか、受験生の判断が試されました。記号選択は、前後の根拠となる部分や設問の指示を意識できれば的確に解答できるものでした。

2 瀧羽麻子『虹にすわる』

椅子工房を営む主人公が友人や祖父とのやりとりを通して心情を変化させる様子を描いた小説文からの出題です。2つの場面が設定されていましたが、リード文にヒントが書かれていたので、読みやすかったと思われます。制限字数80字以内の記述は、最終場面の状況を理解したうえで、比喩表現を的確に換言できるかどうかが試されました。そのほかはすべて記号選択です。表現の特徴に関する設問もあり、ここでも点差が生じたと考えられます。知識分野では語句の意味が2問出されています。

3 『源氏物語』

2023年に続いて、平安時代の長編物語からの出題です。六条御息所が物の怪となり、葵の上の出産を妨げようとする場面でした。中学生が読むには難しい内容ですが、西大和学園高を受験するうえで必要な古文の知識事項の定着度に加え、注釈や設問からのヒントを理解できたかどうかで、読み取るスピードに差がついたことでしょう。記述は2問あり、この問題で得点差が生じたと思われます。難度の高い文章において動作主を正確に把握するためにも、敬語をもとにして人物を推測できるように読解練習をしておくことが大切です。

理科

1 天体(地学)

太陽系の惑星に関する問題でした。一部非常に細かい知識が必要な問題や、惑星についての表を読み取る問題などがありました。その他は基礎的な知識問題が中心なので、確実に得点したい大問でした。

2 人体、動物、植物、生態系(生物)

だ液に含まれる消化酵素に関する実験をテーマとした問題でした。入試ではよく見かけるテーマですが、複雑な実験操作の理解やグラフを読み取る力が求められました。(7)の昆虫に関する仮説を検証する問題でも高度な分析力が必要でした。

3 力(物理)

浮力についての問題でした。(4)までの基礎的な問題は確実に正解したいところです。(5)はやや難度が高く、浮力の習熟度によって得点差が生じたものと考えられます。(6)のグラフは見慣れないもので、丁寧に計算する必要がありました。

4 中和、化学変化(化学)

中和と気体発生に関する標準~応用レベルの問題でした。出題された実験操作は典型的なため、落ち着いて問題条件を整理し、正確に化学反応の規則性を見つけられるかどうかがポイントでした。(5)のグラフを書く問題や、(6)の計算問題は非常に難度が高く、思考力・分析力に加え、計算の正確性も試されました。

社会

1 地理総合

世界地理と日本地理の総合問題でした。統計を用いた問題を中心に、ほかの高校でも頻出のものが多く出されました。基本的な知識が備わっていて、しっかりと演習量を積んできた受験生であれば解答できたと思われます。定期的に出される地形図を用いた問題は、一部難度が高いものがありました。

2 歴史総合

日本史と世界史の総合問題でした。例年と異なる形式の選択問題が数多くみられました。思考力を求められるものや細かな知識を要求されるものもあったことから全体的に難度はやや高めでした。

3 歴史総合

日本史と世界史の総合問題でした。思考力を試されるものや長めの文章記述を求めるものが出題されましたが、全体的には基本的な知識があればある程度の得点が見込める大問でした。年代を問うものに関しては、時代や世紀ごとに歴史の流れや日本史と世界史の関連性が整理されていることに加えて、出来事の西暦年を暗記していることが必要でした。

4 公民総合

公民の総合問題でした。正誤形式で基本的な知識を確認するものがほとんどで、問題数も少なかったことから確実に得点しておきたい大問でした。