特集コンテンツ

神奈川県公立高等学校 2024年出題傾向リサーチ

出題傾向リサーチ

英語

1 リスニング問題:小問数7

例年通りの3部構成です。対話文と留守番電話に残されたメッセージから出題されました。すべて選択形式です。

2 語彙:小問数3

英文の空所に入る適切な英単語を選択する問題です。英文、選択肢ともに語彙の難度が高く、英単語の習熟度で差がついたと思われます。

3 適語句選択:小問数4

短い対話文中の空所に適切な英語を選んで補う問題です。英単語の知識が試された問2とは対照的に、動詞などを正しい形で使えるかどうかが試されました。

4 並べかえ英作文:小問数4

対話の内容に合わせて、不要な1語を使わずに与えられた語を並べかえる問題です。(ウ)は、関係代名詞の省略を見抜くことが求められる難問でした。

5 条件英作文:小問数1

時系列に並んだ3枚の絵があり、その場面を説明する英文中の空所に適した内容を英語で書く問題です。例年通り、疑問詞を使った疑問文が正答となりました。語数や使用する英単語が条件にあります。

6 説明文の読解(約600語):小問数3

自然をインフラの一部と考えることの重要性を述べた、生徒のスピーチ内容に関する問題でした。(ア)は、空所に適する英文を選択する問題で、グラフの内容を正確に読み取る必要がありました。

7 対話文の読解(約570語):小問数2

短い対話とそれに関連した図表を読み取り、質問への解答を選ぶ形式です。(ア)の英文では対話の内容が二転三転し、それらを一つも見落とすことができないため、慎重さが求められる問題でした。

8 対話文の読解(約700語):小問数3

選挙の投票率に関する生徒たちの対話文です。(イ)は、空所直後の代名詞をヒントに選択する必要があり、差がついたと思われます。

数学

1 計算問題

例年通りの選択問題で、正負の数、文字式、平方根などの基本的な計算問題でした。時間をかけずに解き進めたい大問です。

2 小問集合

連立方程式、二次方程式、二次関数の変域、不等式、球、式の値の6問でした。こちらも基本問題で、大問1と同様に選択問題なので、ミスなく得点を重ねたい大問でした。

3 小問集合

(ア)円と相似、(イ)データの活用、(ウ)平面図形、(エ)食塩水の文章題でした。(イ)は、ヒストグラムをもとに丁寧に考察していく必要がありました。(ウ)は、与えられた少ない条件から分かることを自分で図に書き込んで考えていく必要があり、正答まで導くことのできた受検生は多くなかったと思われます。

4 二次関数

例年通り、放物線と直線についての問題でした。(ア)(イ)は基本問題です。(ウ)は底辺比の利用や等積変形などさまざまな解法があり、どの解法を選ぶかによって差がついたと思われます。

5 確率

さいころの出た目にしたがってカードを取り除いていく問題でした。ルールを正確に把握したうえで、漏れのないよう丁寧に数え上げていく必要がありました。

6 空間図形

展開図から作られる三角錐に関する問題でした。(イ)は表面上の最短距離を求める問題で、毎年出題されているので解法に悩むことはなかったと思われます。長さを求める際に適切な補助線を引けたかどうかがポイントでした。

国語

1 漢字・短歌の鑑賞

例年通り、漢字の読み書きは記号選択形式です。やや難度の高いものも含まれていて、まぎらわしい選択肢に注意しながら解答する必要がありました。また、短歌の鑑賞では使用されている表現技法への理解が求められました。

2 髙森美由紀『藍色ちくちく』

結婚式当日、式場に向かう父と娘の会話を中心とした小説文からの出題です。会話に方言が使われていて読みにくさを感じた受検生も多かったと思います。しかし主な登場人物は少なく、心情の読み取りも難しくなかったので、落ち着いて取り組みたいところでした。

3 井上雅人『ファッションの哲学』

ファッションにおけるコミュニケーションについて述べられた論説文です。やや抽象度の高い内容であったため、読解に時間のかかる文章でした。設問はすべて記号選択で、文法や対義語などさまざまな国語の知識も要求されました。

4 『古事談』

鎌倉時代の説話集からの出題です。設問はすべて文章内容に関するものでした。注釈をたよりに、敬語や会話の内容から動作の主語を読み取って読解する必要があり、どれだけ丁寧に文章内容が掴めていたかが点差につながったと思われます。

5 2つの文章の読み取り

例年はグラフや図表の読み取りでしたが、2024年は2つの文章を読み取るものに変わりました。設問は例年と同じく、空欄補充と条件付きの記述です。記述で用いるべき語句が受検生にとってなじみのないものだったので、文章をもとに、しっかりと意味を把握することが必要でした。

理科

1 小問集合(物理)

(ア)光、(イ)仕事、(ウ)力に関する問題でした。(ア)は光の屈折、(イ)は輪軸と仕事の原理、(ウ)は力の作用・反作用の理解が必要でした。いずれもミスをしやすい問題で、得点差がついたと思われます。

2 小問集合(化学)

(ア)溶解度、(イ)化学変化、(ウ)化学電池に関する問題でした。いずれも典型的な基礎問題でした。

3 小問集合(生物)

(ア)植物、(イ)細胞、(ウ)人体に関する問題でした。(ウ)は対照実験の問題文を読み飛ばさず、注意深く解き進めることが大切でした。

4 小問集合(地学)

(ア)地質、(イ)天体、(ウ)太陽に関する問題でした。(ア)は地層の成り立ちについて、細かい条件を分析する力が求められました。

5 磁界、音(物理)

磁界と音に関する問題でした。(ウ)は発光ダイオードの性質と直流・交流の理解、(エ)は音の性質と磁界の関係を読み取る力が必要でした。

6 イオン(化学)

イオンと中和に関する問題でした。(ウ)は類題を十分に演習したことがあると、解き進めやすかったことでしょう。(エ)(う)は実験結果を組み合わせて考える力が必要でした。

7 遺伝(生物)

遺伝に関する問題でした。(エ)は2種類の対立形質について同時に考えるという、公立校ではやや難度が高い珍しい問題でした。

8 天気(地学)

前線の通過と天気の変化に関する問題でした。典型的な問題ですが、観察結果を丁寧に読み取る必要がありました。

社会

1 世界地理

主に東南アジアやオセアニアを題材とした出題でした。それぞれの地域の経緯度・時差・宗教・貿易の変化など、さまざまな分野の基本的な問題がほとんどでした。

2 日本地理

茨城県つくば市を題材とした出題でした。例年通り、さまざまな図表が出題されたため、図表のポイントを把握する力が求められました。

3 歴史総合(古代~近世)

東大寺を題材とした古代から近世までの歴史に関する出題でした。写真から文化財を判断したり、地形図を組み合わせて資料を読み取ったり、総合的な実力が必要とされました。

4 歴史総合(近代~現代)

日本の野球を題材とした近現代の歴史に関する出題でした。出題形式は例年通りでしたが、内容は一部に公民の分野もみられました。

5 経済

経済の循環を題材とした出題でした。複数の要素について問われる形式が多くみられたため、表や図などを落ち着いて読み取り、内容を把握する必要がありました。

6 政治

持続可能な開発目標(SDGs)を題材とした出題でした。最高裁判所の判決や障害者の人権に関する資料に加えて、選択肢の文章も長いため、ポイントを正確に理解する必要がありました。

7 総合

南アジアを題材とした三分野総合問題でした。資料が複数用いられた問題では、3つの文章の正誤をすべて判断する必要があったため、やや難度の高いものでした。