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東京都立日比谷高等学校 2024年出題傾向リサーチ

出題傾向リサーチ

英語

1 リスニング問題:小問数5

問題A、Bの二部に分かれています。Aは対話文と質問を聞き、与えられた選択肢から答えを選ぶ問題が3つ、Bは動物園の来園者に向けた説明と質問を聞き、適切な答えを選ぶ問題と英語で答えを記述する問題が1つずつという出題です。

2 対話文の読解(約1400語):小問数7

環境に配慮した新しいコンクリートや木材などについての対話文です。内容を正しく把握するうえで、sustainableという単語がキーワードだったと言えます。問4は本文中の新しい建築資材を正しく表している図を選ぶ形式で、英文中の複数の情報を正確に理解し、イメージする力を問うものでした。図を選ぶ形式は2023年にも出題されています。また、問5で出題された30語以上の英作文では、都立日比谷高の特徴ともいえる、客観的な視点で分かりやすく記述する力が求められました。

3 説明文の読解(約1010語):小問数8

脳の「忘れる」機能に着目した説明文です。2023年と比べ、出題形式に大きな変化はありませんでしたが、慎重に考えるべき問題が複数あり注意が必要です。下線部について筆者の意図を正しく換言したものを選ぶ問1は、前後の内容理解が問われました。本文中の空所に当てはまる語句を選ぶ問6は、空所の直前、直後の情報だけでなく、本文全体の内容から考える必要がありました。

4 自由英作文:小問数1

2023年に続き、複数の資料をもとに自分の考えを記述する形式でした。与えられた情報を正確に分析したうえで、時間をかけずにまとめなければいけない点が都立日比谷高の特徴と言えます。ミスなく英文を書くのはもちろんのこと、説得力のある文章を書く力が求められる難問でした。

数学

1 小問集合

平方根の計算、二次方程式、さいころの確率、データの活用、作図の5問構成でした。データの活用が出題されたのは初めてですが、丁寧に調べていけば正解することは難しくありません。都立日比谷高の受検生であれば、いずれもミスなく完答を目指したいところです。

2 二次関数

2つの放物線上の点を結んでできる図形に関する問題でした。いずれの問題も座標や線分の長さを正確に文字で表していけば、立式はしやすかったと思われます。問題文の長さや点の多さに惑わされずに、条件を正しく理解し、丁寧な計算をすることで正解を積み重ねたい大問です。

3

〔問1〕は角度の問題、〔問2〕(1)は合同の証明、(2)は面積と例年通りの出題でした。平行線と円と角の性質を利用することでうまく解法の糸口を掴むことができれば、計算量は多くありません。〔問2〕(2)も(1)の結果を利用すれば難しくありませんので落ち着いて対応したいところです。

4 空間図形

正方形の紙に光を当てたときの影の形を考察する問題でした。都立校の受検生にとってはあまり馴染みのないテーマであり、例年の「記述形式の小問」が「記号選択の小問」になるという形式の変化もあったため、戸惑った受検生も多かったと思われます。また、問題文を正確に読み取り、図形の動きを正しく把握できたかどうかがポイントですが、最後まで完答できた受検生は多くないと思われます。

国語

1 漢字の読み取り

例年高難度の出題でしたが、2024年は標準的な難度の5問でした。故事成語も出されました。

2 漢字の書き取り

四字熟語を含む5問が出されました。個々の漢字は難しくないものの、意味の浮かびづらい熟語もあり、例年通り高難度なものも含まれました。

3 河﨑秋子『温む骨』

陶芸家が自身の仕事のあり方について苦悩する場面を描いた小説文からの出題でした。現代が舞台の文章で、読み取り自体は難しくなかったと思われます。制限字数80字の記述1問と、記号選択6問で構成されていますが、文章内容の把握ができていれば、悩まず解答できる問題でした。

4 大塚淳『深層学習後の科学のあり方を考える』

AIによって科学がどうなるのかを述べた論説文からの出題でした。2023年より文章量が増え、科学の歴史にまで言及するといった文章難度の高いものでした。例年通りの制限字数250字の作文と記号選択のほかに、抜き出しが1問出されましたが、傍線部を説明する文章に当てはめる形式で、難度は標準的でした。

5 中西進『万葉のことばと四季』

和歌を詠む際に花を含むことの意義について述べた文章からの出題でした。和歌が複数引用されていますが、直後の現代語訳や筆者による解釈を理解できれば、内容把握で苦戦せずに済んだと思われます。字数指定のある抜き出しが3年ぶりに出されたほかは、例年通り記号選択4問でした。まぎらわしい選択肢も含まれていて、文章内容の丁寧な読解が求められました。