千葉県公立高等学校 2024年出題傾向リサーチ
出題傾向リサーチ
英語
1 リスニング問題:小問数3
放送された対話を聞き、後に続く受け答えを選択する問題です。
2 リスニング問題:小問数2
放送された内容に関する質問の答えとしてイラストを選択する問題です。
3 リスニング問題:小問数2
対話文と、まとまった英語の文章を聞き、その内容に関する質問の答えを選択する問題です。
4 リスニング問題:小問数2
放送内容をまとめた英文の空所に入る英語を選ぶ問題です。単語を書く問題はマークシート形式になったことで、記号選択に変更されました。
5 語形変化、並べかえ英作文:小問数5
(4)は間接疑問文、(5)は関係代名詞の理解を問うもので、どちらも語順に注意が必要です。
6 自由英作文:小問数2
2枚の連続する絵を見て、空所に入るセリフを英語で書く問題です。2023年は4枚の連続する絵が1つのストーリーを構成していましたが、2024年では2つのストーリーに2枚ずつの絵が含まれる形に変わりました。
7 図表の読み取り(約670語):小問数7
(1)はスライドを用いた高校生の発表、(2)はイベントに関する案内を読み取る問題です。2023年と同じく、複数箇所を根拠に、日時を正確に把握して解答する問題が出されました。
8 読解総合(約470語):小問数5
ファストファッションに関する英文です。(2)は空所に入る10~15語の英語を書く問題です。本文の表現を用いれば解答できた従来の形式とは異なり、自分で考えて記述する表現力が必要でした。
9 対話文の読解(約220語):小問数4
対話文中の空所に入るセリフを選ぶ問題です。2024年はマークシート化にともなって、すべて記号選択問題に変更されました。
数学
1 小問集合
2023年同様の問題構成で、基本的な計算から中3範囲まで、多岐にわたる出題内容でした。確率の問題では、さいころ2個の出た目を座標平面上に取る問題で、丁寧に数え上げることが求められました。また、作図の問題では1つ前の小問の答えを利用して導き出す必要があったため、誘導に気づけた受検生であれば、得点につなげられたことでしょう。また、2024年から、マークシート形式となったため、計算ミスだけでなく、マークミスにも注意したいところです。
2 二次関数
放物線上に頂点を持つ平行四辺形についての問題でした。(1)(2)ともに基本的な内容なので、確実に正解したいところです。(2)は(1)と設定が変わるところに注意する必要がありました。
3 平面図形
三角形の合同を証明して、面積を求める問題でした。(1)の空所補充と(2)の証明は例年通りの出題で、手早く解き進めたいところです。(3)は三角形に長さを与えて面積を求める問題でしたが、難度が高く、時間内に正答できた受検生は少なかったと思われます。
4 一次関数
スクリーンに投影される影の長さを座標平面上で考える問題でした。会話文を読んでいくことで(1)(2)の空所補充の問題に取り組むことが可能でした。(3)は(2)の答えを利用することで解法に悩むことはないでしょう。しかし、計算量はやや多く、最後の大問ということもあり、どれだけ時間を残して問題に取り組めたかが鍵でしょう。
国語
1 放送による聞き取り検査
「伝わりやすさ」についての学生の会話と、関連する問いが放送されました。2人の考えやその変化をメモすることで的確に解答できたと思われます。
2 漢字の読み取り
一部答えにくい問題もありますが、標準的な難度のものが中心です。
3 漢字の書き取り
大問1と同様に標準レベルの難度のものが中心です。
4 好井裕明『「今、ここ」から考える社会学』
人間が他者と出会うことや社会の中で成長していくことの意味を論じた文章でした。具体例も多く、文章は短めで、読み取りにくさはありません。空欄補充は、空欄前後のヒントや文中の対応箇所を意識する必要がありました。
5 山本一力『銀しゃり』
江戸時代の鮨職人と貧しい家の女のやりとりを通して、2人の心情の機微が描かれた時代小説でした。登場人物について生徒同士が話し合う設問があり、ここで点差がついたと思われます。
6 『輕口露がはなし』
江戸時代中期の作品からの出題でした。話の結末が30字程度の記述で問われていて、内容を的確に把握できたかどうかで大きく得点に差がついたと思われます。それ以外の設問は標準的な難度でした。
7 作文
「知識」と「知恵」について具体例をあげて、意見を答える作文でした。2023年よりも設問で求められている内容が明確なので、訓練を重ねてきた受検生は取り組みやすかったと思われます。
理科
1 小問集合
例年通り、物理、化学、生物、地学からの小問集合でした。基礎的な知識の確認です。
2 物質の特徴(化学)
気体の発生方法や密度についての問題です。内容は基礎的でした。
3 植物(生物)
植物のはたらきを調べる実験に関する問題です。実験操作を考える記述問題がありましたが、内容は典型的なものでした。
4 電流(物理)
電流と磁界の関係についての典型問題でした。(4)は現象の正確な理解が問われました。
5 地質(地学)
基礎的な知識の確認と地層の様子を考察する問題でした。(3)(4)は問題の状況を正確に把握する分析力が問われたため、ここで差がついたと思われます。
6 力(物理)
浮力や滑車に関する実験の問題でした。(3)のグラフを作図する問題では、浮力や滑車に対する正しい理解が求められました。
7 天体(地学)
月の見え方についての問題です。月の満ち欠けや見かけの大きさが変化する仕組みについて理解が問われました。
8 化学変化(化学)
金属の酸化を題材にした化学変化の典型問題でした。類題の演習を通して、計算方法を理解しておく必要がありました。
9 生態系(生物)
生態系についての基礎知識の確認が中心でした。(3)は注意深く考察する必要がありました。
社会
1 総合問題
千葉県の海岸に関する会話文をもとに地理・歴史・公民それぞれの分野から出題されました。統計を読み取る問題は適当な選択肢をすべて選ぶもので、解答の際に注意が必要でした。
2 日本地理
県庁所在地や地形図について問われる傾向は例年通りでしたが、政令指定都市に関する正確な知識が必要でした。
3 世界地理
いずれも基本的な問題で、冷帯地域の住居に関する文章記述問題も対応しやすいものでした。
4 歴史総合(前近代史)
「歴史上の人物が詠んだ和歌」をテーマに出題されました。鎌倉幕府の衰退に関する文章記述問題は字数が制限されているうえに指定語句がなく、まとめ方に工夫が必要でした。
5 歴史総合(近・現代史)
「経済の混乱と人々の姿」をテーマに出題されました。20世紀以降の日本史と世界史の動きを正しく整理しておくことが必要でした。
6 経済
近年の日本経済に関する文章をもとに出題されました。日本の経済成長率の変化についての問題はカードと年表を丁寧に照らし合わせたうえで、慎重に解く必要がありました。
7 政治
刑事裁判に関する図をもとに出題されました。例年、漢字指定の語句記述は複数出題されていましたが、2024年は本題中の1問のみでした。
8 国際
G7サミットに関する文章をもとに出題されました。国家の領域に関する問題は、正確な理解が求められました。