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東京都立国立高等学校 2024年出題傾向リサーチ

出題傾向リサーチ

英語

1 リスニング問題:小問数5

問題A、Bの二部に分かれています。Aは対話文と質問を聞き、与えられた選択肢から答えを選ぶ問題が3つ、Bは動物園の来園者に向けた説明と質問を聞き、適切な答えを選ぶ問題と英語で答えを記述する問題が1つずつという出題です。

2 対話文の読解(約1430語):小問数10

3人の高校生と、そのうちの1人の兄である大学生が象形文字や二進法を用いた暗号について話し合う文章です。本文中に示された図表と、登場人物が解説する二進法のルールの両方を理解しながら解き進めていく必要があります。特に問4、問7、問8はそれらの理解が伴っていないと正答にたどり着けない難問でした。問5は4つの空所に入るセリフの正しい組み合わせを選ぶ問題で、意味が似ている選択肢に惑わされないよう、各所の話題を意識して解く必要がありました。問6の空所に入る英語を本文中から抜き出す問題は、都立国立高では頻出の形式です。品詞と文脈を推測して探し出す力が求められました。

3 物語文の読解(約1190語):小問数12

日本でホームステイをしていた少女が帰国の日を迎え、ホストファミリーとの別れるシーンを中心に描いた物語文です。物語文の内容に関する問題が3年連続で出されています。問6は下線部の英文について理由を15~25語で、問8は下線部の英文の内容を具体的に20~30語で記述する問題でした。どちらの英文も抽象的な表現で書かれているため、記述する内容の方向性を捉えにくい難問であったと言えます。また、設問の答えとなる語句を本文中から抜き出す形式の問題が大問2、3合わせて計6問あり、2024年入試の特徴の一つでした。空所を含む英文と同じ話題が展開されている箇所を意識して読み進めることが正解への鍵です。

数学

1 小問集合

平方根の計算、連立方程式、場合の数、確率、作図の5問からなる小問集合でした。〔問2〕は解法によって計算量に差がついたと思われます。〔問3〕〔問4〕は丁寧に場合分けをして確実に正解したいところです。〔問5〕は解法が浮かびにくいと感じた受検生も少なくなかったことでしょう。

2 二次関数

放物線と直線に関する問題でした。〔問1〕〔問2〕は直線の式と座標に関する基本問題です。〔問3〕は面積に関する問題で、シンプルな設定でした。計算ミスに注意しながら、手早く完答したい大問でした。

3

〔問1〕は角度を求める問題、〔問2〕は長さに関する証明問題で、いずれも典型的な出題でした。〔問3〕は三角形が通過してできる図形の面積についての問題で、類題演習の経験によって差がついたと思われます。

4 空間図形

2023年に引き続き、ある条件を満たしながら立体の内部を動く点についての問題でした。〔問1〕は長さの最大値を求める問題で、最大であることに確信が持てなかった受検生もいたことでしょう。〔問2〕〔問3〕は点が動く範囲の面積および体積を求める問題で、計算量は多くはありませんが、求める図形を把握するのは容易ではなかったと思われます。

国語

1 漢字の読み取り

四字熟語を含む5問が出されました。例年通り難度の高いものが含まれています。

2 漢字の書き取り

この大問でも四字熟語を含む5問が出されました。総じて難度は高く、普段見聞きする言葉に対する受検生の感度の鋭さが試されるものだったと言えます。

3 川端裕人『てのひらの中の宇宙』

語り手の「ぼく」が息子と一緒に湧水池で生き物と触れ合う場面の小説文からの出題でした。設問は記号選択が中心です。文章も読みやすく、選択肢も分かりやすいものが中心だったので、なるべく手早く解答していきたい大問です。生徒が対話する形式で表現技法を問う記号選択と抜き出しが1問ずつ出されました。抜き出しの答えを探すのに時間をかけすぎないよう注意する必要がありました。

4 河野哲也『人は語り続けるとき、考えていない』

哲学における「対話」について考察した文章からの出題です。記号選択は標準的な難度のものが中心でした。抜き出しが2問出されましたが、解答を予測せず漫然と探すだけでは見つかりづらいものもありました。また、例年通り200字の作文が出されました。テーマは書きやすいものでしたが、筆者が展開する論旨を意識したうえで書いていくことが重要でした。

5 久保田淳『藤原俊成』

平安末期の歌人藤原俊成について述べた文章からの出題です。設問はすべて記号選択でした。歌人による和歌の批評というなじみの薄い内容であり、読み取りに時間のかかった受検生も多かったと思われます。