【親子インタビュー】文武両道に励み、慶應義塾高に合格! 成功の鍵は、授業に集中・授業で完結
インタビュー
今回お話しいただいた方
- Yさん
(SAPIX中学部 たまプラーザ校卒。慶應義塾高等学校 1年生) - お母様
YさんがSAPIX中学部に入室したのは中2の4月。中3になり受験勉強が本格化しても、陸上部の部長、体育祭実行委員会の代表、合唱コンクールのピアノ伴奏と、学校の活動にも積極的に取り組んできたといいます。大役を果たした後は、見事、第一志望の慶應義塾高に合格しました。Yさんは、学校の活動と受験勉強をどのように両立させていたのでしょうか。SAPIXで過ごした合格までの日々を、お母さまと共に振り返っていただきました。
インタビューの最後では、Yさんの受験を支えたサクセスグッズを写真とともにご紹介しています。受験勉強のヒントになるメッセージも満載です。ぜひ、ご覧ください。
- Zoomを使用して2023/6/8に取材を行いました。
豆知識や雑学も学べる。勉強の面白さに感動した授業
――第一志望の慶應義塾高に入学して約2カ月がたちました。まずはSAPIXに入室したきっかけを教えてください。
Yさん いくつか塾を見学した結果、授業の進行速度や落ち着いて学習に集中できそうな雰囲気が自分に合っていると思い、SAPIXに決めました。特に対策をしていなかったので、入室テストは簡単ではなかったのですが、応用クラスに入ることができてうれしかったです。
お母様 塾は、本人に見学、体験をさせた上で、自分で選ぶようにさせました。SAPIXは、授業のスピードが本人に合っていたようです。学校での勉強で困ることはなかったのですが、「SAPIXは最難関校受験のための塾」と周囲から聞いていたので、応用クラスに入れたと聞いてほっとしました。
――実際に通塾してみていかがでしたか。
Yさん 塾に通うのはSAPIXが初めてだったのですが、「塾ってこんなに分かりやすくて勉強が面白いと感じられるところなんだ!」と感動しました。入室直後は数学の進度が速くてマンスリーテストで思うように得点できませんでしたが、夏休み前くらいから徐々に順位が上がっていきました。
お母様 入室テストに合格後、SAPIXに通う前に先生から志望校を聞かれました。息子から「3教科で頑張りたい」と聞かされていたので、3教科受験の最高峰である「慶應・早稲田」と試しに記入したアンケートをお渡しすると、先生からは「十分狙えますよ!」とのお返事が。
息子にそのことを話すと、がぜんやる気が出たようです。また、「あまり国語が好きではないのですが」と相談したら、「良い方法があります」と、具体的なアドバイスをたくさんくださり、信頼できる先生だなと感じました。
――どんな授業が印象的でしたか。
Yさん 国語は、受験とは直接関係のない豆知識や雑学の話を交えながら進める授業が大好きでした。双方向対話型の授業で、先生も楽しく展開してくれたので、あっという間に時間が過ぎていく感じでした。入室した当時、3教科の中では国語があまり好きではなかったのですが、室長先生の授業が面白くて、また、できると褒めてもらえるのがうれしくて、最終的には国語が一番の得点源になりました。
数学は、中3に入ると頻出の問題についてパターン化する解法を学べたのが良かったです。3教科の中では数学に少し苦戦していたのですが、この授業のおかげで得点力をかなり上げることができたと思います。
中3で陸上部部長に選ばれ、学校行事でも責任のある役職に
――陸上部で活躍されていたとのことですが、受験勉強とはどう両立させていましたか。
Yさん 私の学校の陸上部は県強化選手を輩出するほどの強豪校で、引退時期も中3の10月と、他の部活動よりも遅めです。そのため、SAPIXの先生からは「中3の夏休みに追い上げることは難しいだろうから、中2のうちにしっかりと力を付けておいて」と言われていました。週に2~3回は7時10分からの朝練、部活動の後にSAPIX、SAPIXがない日は家庭学習、というサイクルを守りました。
また、分からない問題や理解が不十分なところをそのままにしておかないことも大切だと思います。私は先生に質問したり、同じ中学に通うSAPIXの友人に休み時間に聞いたりして、なるべく早い段階で解決するようにしていました。
お母様 睡眠が足りないと、授業中に寝てしまったり、集中できなかったりします。どんなに忙しくても22時30分には寝るように言っていました。やらなければいけない課題は、朝早く起きてやっていたようです。
――その後も陸上部を続けながら、春には体育祭実行委員会の代表、夏には合唱コンクールでピアノ伴奏者も引き受けたとか。受験勉強をしながら担当するのは大変だったのではないでしょうか。
Yさん 中3になると部長に選ばれてさらに忙しくなりました。最高学年のため大会に出ることが多く、練習がハードで体力的にきつかったです。また、体育祭実行委員会は放課後に居残りをしなければならない日が多く、SAPIXがない日も勉強に時間をあまり使えなくなってしまいました。
さらに、7月には合唱コンクールのピアノ伴奏者に任命され、10月の本番のために夏休み中に練習しなければなりませんでした。陸上部も、10月の引退試合に向けて夏休みに多くの練習が入っていました。そのため、「受験の天王山」といわれる中3の夏休みに、私は外では陸上、家では楽譜を開いてピアノの練習もしていたという……。
お母様 SAPIXの先生からは、中3に進級する前の3月にもう一度、「夏休みには部活動があるのだから、夏休み前に苦手教科の強化などやるべきことはやっておいて」と言われたようです。そのおかげで、夏休み前にはある程度の基礎力を付けることができ、勉強以外の活動との両立ができていたのではと思います。今振り返れば、中2で基礎を固められたことが良かったと思います。
――受験勉強をしながら学校の活動にも全力投球。そのパワーの源はどこにあるのでしょうか。
Yさん 引き受けたからにはやり遂げる、何も諦めたくないからできることは全てやる、という責任感と気合で乗り切っていました(笑)。細かいスケジュール管理などは特にしていなかったです。とにかく、当時はがむしゃらで無我夢中で、大変と思う暇さえありませんでした。今振り返るとめちゃめちゃ忙しかったなと思います。でも、とても充実していました。
お母様 あまりにもいろいろ引き受けていて、そばで見ていてとても心配でした。特に夏休みは、朝に競技場まで行き、炎天下に、走り幅跳びやリレーの競技に出場、その後に夏期講習、という日もありました。
そこでSAPIXの先生に「授業中に寝ていませんか?」と聞いてみたのです。すると、「Yさんはクラスの中で一番、授業に集中していますよ」というお返事。授業にとにかく集中して、授業中にできることは全てやる、という姿勢で臨んでいたのが良かったようです。こんなに忙しくしていても、模試の合格可能性が下がることはありませんでした。
大役を終え時間ができた途端、まさかのスランプに陥る
――とても順調な受験生ライフを送っていたようですが、スランプはなかったのでしょうか。
Yさん 私は飽き性なので、SAPIXの飽きを感じさせない授業、というか、休んでいる暇がない学習スタイルが自分に合っていました。しかし、10月に陸上部を引退し、学校での大役も果たし終えて、「いよいよ受験勉強に専念するぞ」と思ったら、今度はやる気が出なくなってしまったのです。
部活動がなくなって急に時間があき、受験勉強に飽きてしまっている自分がいました。11月以降はモチベーションを保つのがとても大変で、まさに「忍耐」の日々だったと思います。
そこで、家にいるとついYouTubeなどを見てしまうので、SAPIXの空き教室や図書館などに行ったり、友達と勉強したりと、家とは違う空間、環境で勉強するようにしました。秋以降は演習問題をとにかく解いて、過去問を何度も繰り返し解きました。
お母様 11月以降は、「今受験したい」としきりに言っていましたね。私は「あとちょっと!」と応援し続けていました(笑)。本人はつらかったようですが、12月下旬に受けた最後の慶應義塾高入試プレでは、国語が2位、総合でも10位、合格可能性も80%と好成績を取れたので、良い状態はキープできていたと思います。
――モチベーションを上げるために、休憩時間にしていたことはありますか。
Yさん 勉強に疲れた時は、VTuberのタレントグループ「ホロライブ」によるライブ配信を見て癒やされていました。
お母様 スマートフォンは連絡ツールとして持たせていましたが、息子はLINEメッセージが来てもスルーできるタイプでした。何でも対応しようとすると、使用時間が長くなりがちですよね。一応、SAPIXに通い始めてからは、使用時間を就寝する22時30分までと決めて、約束の時間になると使えなくなる設定にしていました。
入試直前期から現在まで。成功の秘訣は早い段階での学校見学
――入試直前期はどのように過ごしていましたか。
Yさん 特に変わったことはせず、演習問題に取り組んでいました。SAPIXの授業が終わっても、空き教室で過去問を解くなどしていました。昨年はまだコロナ禍で、入試が近づくと学校を休む人が多かったのですが、私は入試前日まで通っていました。学校で受験と関係ない話をしながら友達と触れ合うことで、リフレッシュできるからです。家に一日中いたら、きっとストレスがたまっていたと思います。
合格の結果を中学の先生に報告した時、「入試前に1日も学校を休まなかったね。すごいよ、それでこそ本物だ」と褒められたのがうれしかったです。
――入試当日の様子を教えてください。
Yさん 慶應義塾高入試プレを受けていて、本当に良かったと思っています。慶應義塾高の入試とそっくりの問題形式のテストを受けていたので、当日は緊張せず、落ち着いて取り組めました。ただ、既に受けていた慶應志木高の1次試験は手応えがあったのですが、慶應義塾高の試験は難しくて……。正直自信はありませんでしたが、結果的に合格できて、本当にうれしかったです。
面接試験も、面接官の先生方がとてもフランクな雰囲気だったので、リラックスして話せました。陸上部の部長を中3の10月まで務めたこと、体育祭実行委員会の代表や合唱コンクールのピアノ伴奏者をしたことなど、中学で頑張ったことがたくさんあったので自己アピールもしやすかったです。また、中2と中3の2回、学校説明会に参加したのですが、学校のことをよく知るきっかけになったため、面接試験にも役立ったと思います。
――晴れて合格して塾高生となりましたが、学校生活はいかがですか。
Yさん クラスメートがとても多様なことに驚きました。そして、誰もが何かに秀でている友達ばかりです。内部生と外部生、さらに帰国生もいて、さまざまなバックグラウンドを持った人が集まっているので、毎日良い刺激を受けています。
色々な部活があって迷いましたが、やはり陸上をやりたいと思い、陸上部に入部しました。素晴らしい競技場があり、設備や道具も整っていて、クオリティーの高い練習ができています。でも、少し驚いたのが、代表の先輩に仮入部の申請をしようとした時、「今日はアイドルのライブに行っているから休みだよ」と言われたこと。練習を休んでライブ、というのは中学では考えられなかったので、自由だなと実感しました。
慶應義塾高は自宅から通いやすく、自由な校風で施設や設備が充実していることが志望理由でした。入学後もイメージが変わることはなく、とても満足しています。
お母様 中2の時に初めて慶應義塾高の説明会に行ったのですが、帰り道、息子は「絶対この学校に行く」と宣言していました。記念に写真を撮ろうとしたら「ここに通うから写真なんて撮らなくていい」とも言っていましたね。ずっと公立校だったので、私立の充実した施設や設備に圧倒されたようです。
今振り返ると、中2の早い段階で学校を見せて、目標を定められたのが良かったと思います。「勉強を頑張ればこの学校に行ける」と思えたのが大きかったです。
やりたいことを全てやり切り、貴重な体験と確かな自信を得る
――受験を終えて、自分自身が成長したなと感じることはありますか。
Yさん 中3の10月まで続けた陸上部と部長の仕事、体育祭実行委員会の代表、合唱コンクールでのピアノ伴奏、そしてSAPIXでの受験勉強と、中2の4月に入室してから、無我夢中で駆け抜けた中学生活でした。これらの経験がなければ責任感を持って仕事を果たすことの大切さが分からず、努力を続ければ夢はかなうという体験も得られなかったと思います。いろいろな経験を積めたことが自信につながりました。高校生活でも、部活動に勉強にと、何事にも全力で取り組んでいきたいと思っています。
お母様 受験を終えた後、息子は「中学生活に1ミリの後悔もない」と言っていたのが印象的です。部活動に学校の活動、勉強と、とても大変そうでしたが、自分でやると決めたことに対して、大人が否定をしないで良かったと思った瞬間でした。成功体験を積めたことで、今後も前向きにいろいろなことに取り組んでくれると思います。
――受験をサポートする上で、お母さまが心掛けていたことはありますか。
お母様 子どもの能力を信じて、否定をしないようにしていました。息子は褒めると伸びるタイプなので、事あるごとに褒めるようにしていましたね。子どもは親が思っているよりも能力を秘めていると思います。うちの息子も、中1の頃はまさか慶應義塾高を目指すなんて考えもしていませんでした。しかし今、塾高生として通学しています。親でも分からない能力が子どもにはあるということです。
勉強面はSAPIXに完全にお任せしていました。不安なこと、心配なことがあれば先生に相談するようにしていました。親身になって答えてくださいますよ。
――最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。
Yさん 中3生の皆さんは、入試はまだまだ先と思っているかもしれません。でも、入試本番は意外にあっという間にやってきます。できる時にやるべきことをやっておくのがとても大切だと思います。
中3以外の皆さんも、今できることを頑張っておけば、余裕を持って対策ができます。1回1回の授業に集中することが非常に重要です。目標に向かって無我夢中で駆け抜ければ、きっと道は開けてくるでしょう。SAPIXの先生を信頼して頑張ってください!
Yさんを支えた受験サクセスグッズ
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