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西大和学園高等学校(本校入試) 2023年出題傾向リサーチ

出題傾向リサーチ

英語

1 リスニング問題:小問数5

放送される対話文を聞いて設問Aと設問Bに答える形式でした。設問Aは例年通りの形式で、英語の質問に対して適切な答えを選択する問題でした。設問Bは、発表用スライドを完成させるために、英文の空所に入る数を答える問題でした。

2 適語句補充選択・並べかえ英作文:小問数8

設問Aと設問Bに分かれています。設問Aでは、英語で書かれた手紙の中の5つの空所に入る適切な語句を選択する問題が3年連続で出され、設問Bでは並べかえ英作文が4年連続で出されました。特筆すべき点として設問Aでは仮定法、設問Bでは現在完了進行形が出されていて、いずれも新しく学習指導要領に加わった範囲の内容です。

3 和文英訳:小問数3

例年通り、下線部の日本語を文脈に合うように英訳する形式でした。日本語の話し言葉を英語で正確に表現できるかどうかが試されました。

4 説明文の読解(約865語):小問数7

セネガルに生息するチンパンジーの集団生活に関する説明文でした。4つの英文を並べかえて空所に補う問4は、選択肢同士のつながりだけでなく、空所前後とのつながりも考える必要がありました。空所に入る英単語を答える問7は、段落全体の大意を掴みながら、対比関係に着目する必要がありました。

5 物語文の読解(約970語):小問数8

ある人物が有名なピアニストになるまでの経緯を新聞記者に語る物語文でした。問2は、本文中から抜き出された英文を入れるのに最も適当な箇所を記号で答える問題で、この形式は2年連続で出されました。全体を通して、指示語に関する問題が多く、正確な読解が求められています。

数学

1 小問集合

(1)式の値、(2)連立方程式、(3)因数分解、(4)整数問題、(5)場合の数の5問でした。(5)は丁寧な対応が求められました。難度は高くないので、完答を目指したい大問でした。

2 図形系小問

(1)等分された円、(2)三角形と角の二等分線、(3)球と立方体、(4)図形の証明の4問でした。(2)はさまざまな解法が存在するので、いかに簡潔な解法を選択できたかがポイントでした。

3 二次関数

直線と放物線が交わってできる図形についての問題でした。(4)は2022年に引き続き、回転体の体積を求める問題でした。ケアレスミスに注意しつつ完答を目指したい大問でした。

4 空間図形

正六角すいに関する問題でした。(3)までは基本的な内容なので、確実に正解したいところです。(4)は適切な平面を取り出すことで正解にたどり着くことができますが、処理も多く、正解できた受験生は多くなかったと思われます。

国語

1 楠本建『無料についての断章』

文化的情報財について論じた文章からの出題でした。2022年は大問1・2がともに論説文でしたが、2023年は論説文と小説文という例年通りの出題に戻っています。難解な表現が少なく具体例を用いて説明されているので、内容は把握しやすかったと思われます。例年と同様に字数制限のある記述が2問出されています。いずれも問われている内容について、複数の観点から解答をまとめる必要がありました。記号選択は傍線部の前後を丁寧に読むことで対応可能なものでした。

2 色川武大『百』

文筆業をしている主人公とその家族について描いた小説文からの出題です。話の流れが掴みにくく、状況理解に苦戦した受験生もいたと思われます。2問の記述を除いてすべて記号選択ですが、まぎらわしい選択肢も含まれているため、細部まで検討する必要がありました。また、記述では制限字数60字と40字のものが出されています。それぞれ問われている内容をしっかりと理解し、的確にまとめる力が求められました。

3 『源氏物語』

平安時代の長編物語からの出題です。六条御息所が物の怪となり、夕顔が襲われる場面の文章でした。読み進めるうえで手がかりとなる注釈や現代語訳が少なかったため、幅広い古文の知識がなければ、内容把握は難しかったと思われます。設問は基礎的な古文の知識があれば対応できるものから、内容理解を問う難度の高い記述まで出されています。普段の学習で多くの古文の文章に触れ、さまざまな問題に対応できるように練習を積んでおくことが大切です。

理科

1 天気(地学)

日本付近の気団の知識や天気図の読み取りに関する問題でした。聞きなじみの薄い気団や高気圧が含まれている問題や、前線と風向について考える問題などがありましたが、いずれも基礎~標準レベルの問題です。

2 人体(生物)

前半は血液成分などに関する知識と基礎的な計算問題でした。一部細かな知識が問われていますが、基礎的なものは確実に正解したいところです。後半のヘモグロビンに関する計算問題やグラフの読み取り問題は、類題の演習経験があれば解きやすかったと思われます。

3 化学変化、電気分解(化学)

銅の化学変化や塩化銅水溶液の電気分解についての問題でした。(5)(7)(8)のような原子の質量比を利用した計算問題は難関校では頻出で、習熟度によって得点差が生じたものと考えられます。(10)はイオンの移動のしくみについて深い理解が必要なため、初見では難しかったでしょう。

4 電流(物理)

電流に関する基礎~標準レベルの問題でした。出題テーマは典型的なので、細かな問題条件を整理し正確に計算できるかどうかがポイントでした。(1)(6)を除く7問が計算問題なので、大問順に解いた場合、限られた時間での計算の正確性も試されました。

社会

1 地理総合

世界地理と日本地理の総合問題でした。統計を用いた問題では、一部で難度の高いものも見られました。地形に関する問題はほかの高校の入試では出題例がほとんどなく、詳細な知識を必要とする難度の高いものでした。

2 世界地理(地図)

近年は地形図の出題が続いていましたが、2023年は地図の種類に関する出題に変わりました。ほかの高校の入試問題でも頻出のものが多く、確実に得点したい大問でした。

3 歴史総合

日本史と世界史の総合問題でした。年代を問うものに関しては、時代や世紀ごとに日本史の流れや世界史との関連性が整理されていることに加えて、ある程度出来事の西暦年を暗記していることが必要でした。

4 歴史総合

空欄を語句記述と記号選択という2つの形式で補充していく、例年の形式の問題でした。基本的な知識を確認するものが多く、確実に得点しておきたい大問でした。

5 歴史総合

2つの空欄に当てはまる語句の組み合わせを選ぶ問題です。文章の前後から解答に必要な情報を正確に読み取ることが必要で、片方の空欄に当てはまる語句が分かれば選択肢を絞ることができたので、冷静に対処すれば得点しやすい大問でした。

6 公民総合

大問5と同じ形式の出題でした。ただし本問は、高いレベルの知識を要求されていることから、4つの選択肢を2つまで絞ることができても正答にたどり着くのは容易ではなく、難問だったと言えます。