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早稲田大学本庄高等学院 2023年出題傾向リサーチ

出題傾向リサーチ

英語

 適語句選択:小問数10

短い英文の空所に適する語句を選び、記号で答える形式です。時制や第5文型の受動態、比較の応用表現などに加え、数値の表記法も問われました。副詞節の時制を問うものは、2022年に続いての出題です。[8]は、主語の数を把握するだけでなく、その後に続く部分を含めた熟語表現の知識も必要で、複合的な力が求められました。

 説明文の読解(約710語):小問数18

ある大学教授が設立した、貧しい人への貸付を行う銀行の説明文です。問1(1)の適語句選択は、熟語の知識だけではなく、教授の心情を読み取ることも求められました。問2や問3[1]~[4]の本文の内容に合うものを選択する問題は、銀行の設立目的や、人々が貧困から抜け出せない構造を捉えることがポイントです。また、選択肢の文章構成が似ているものも多く、それぞれの違いを吟味することも大切でした。問2[1]では、設問の意味を取り違えないようにして、本文の随所に出てくるキーワードに気づけるかどうかが鍵でした。問3[8]の和文英訳は、副詞や前置詞を適切に使用する必要がありました。

 対話文の読解(約400語):小問数13

環境保全についての啓蒙の一環として、ごみ問題に対し、とある取り組みをしている男性を話題にした対話文です。問1〔2〕の適語選択や問2[1]の適文(台詞)選択では、口語表現の意味が問われました。文脈から考える問題ですが、日頃からさまざまな口語表現を学習しておくことで、より自信を持って素早く解答できるでしょう。問3の適語補充は、男性の活動について概要を俯瞰的に捉える必要がある難問でした。問7の日本語を英訳する問題はやや複雑な内容のため、英文を書き慣れていない受験生は戸惑ったと思われます。

数学

1 小問集合

問1は平方根の計算、問2は因数分解、問3は座標平面と確率、問4は角度という4題構成でした。問1、問2は適切な工夫ができれば、比較的容易に解けたことでしょう。問3は図を自分で描いて考えることが重要でした。問4は与えられた条件から図の性質を正しく把握できるかどうかがポイントでした。いずれも知識と演習量を求められる問題で、差がつきやすい大問だったと思われます。

2 整数

与えられたルールに従って導き出せる数値について考察する問題でした。問1、問2はルール通りに当てはめて数式を解けば正答を導けます。問3は、本文中にある例と問2までの流れから、数式の特徴を把握できるかどうかがポイントでした。気づけなかった、あるいは気づいても利用の仕方が分からなかったという受験生は多かったと思われます。

3 反比例

反比例のグラフと図形の問題でした。問1、問2は典型問題ですが、文字の種類が多いため、丁寧な処理が求められました。問3は見慣れない部分の面積を問われ、戸惑った受験生もいたかもしれません。反比例の性質を活用して、冷静に取り組みたいところです。

4 座標平面と回転体

座標平面上に作られた図形を回転させてできる立体に関する問題でした。設定自体は典型的なもので、早大本庄学院の受験生であれば、どの小問も解法は思いつきやすかったことでしょう。ただし、文字式を含む計算となるため、ミスなく処理できる計算力が求められました。

国語

1 柄谷行人『漠たる哀愁』

作家・阿部昭について、同世代の作家たちと比較しつつ述べた文章からの出題です。文章量は例年並みですが、中学生にはなじみの薄い語句が用いられていることに加え、文中に出てくる大量の固有名詞を整理しながら読み進める必要があったため、読み取りに苦労した受験生も多かったと思われます。文章内容に関する設問は、例年通り記号選択と抜き出しが中心ですが、なかには判断に迷うものもあり、細部の理解ができていないと得点には結びつきません。制限字数50字の記述は、注釈や前後の内容を確認して過不足なくまとめる必要がありました。また、知識問題として、文学史にまつわる説明文の空欄補充と漢字の読み取りが出されています。特に文学史は、過去の早大本庄学院の入試で難度の高い問題が出されたこともありましたが、2023年は標準的な内容だったので、確実に得点したいところです。

2 舞城王太郎『クローゼットの中』

押し入れやクローゼットの中などの狭く暗い場所を偏愛する主人公の様子を描いた文章からの出題です。主人公の心情の動きが台詞や平易な表現を通して丁寧に描写されているので、内容把握はしやすかったものと思われます。全11問のうち、漢字を除く6問が文章内容に関するもので、記号選択や抜き出しでは文中にまぎらわしい表現が含まれていることもあり、慎重な検討が求められました。制限字数70字の記述は、傍線部以前の流れをふまえたうえで傍線部内の表現を解釈し、まとめる必要があるもので、文章全体の理解も欠かせませんでした。一方、漢字の書き取り5問は標準的な難度のものが多く、確実に得点につなげたいところです。