西大和学園高等学校(県外) 2024年出題傾向リサーチ
出題傾向リサーチ
英語
1 リスニング問題:小問数8
英語部の顧問の先生とその部員との対話文を聞き、例年通り2つの設問に答える形式でした。設問Aは放送された内容に関して、英語での質問に記号で答える問題でした。設問Bは対話文の流れから、英語部に所属していると思われる生徒とそうでない生徒を選ぶ問題でした。
2 並べかえ英作文:小問数3
2023年と同じく、与えられた日本文に合うように語句を並べかえ、英文を完成させる問題が出されました。標準的な難度の問題が2つと、慣用表現の知識が求められる問題が1つ出されました。
3 和文英訳:小問数3
例年通り、与えられた日本文を英訳する形式でした。英語に訳しにくい日本語を噛み砕いて、いかに自然な英文にできるかを試すもので、西大和学園高の特徴的な問題と言えます。
4 説明文の読解(約720語):小問数9
動物の家畜化をさまざまな視点から述べた説明文でした。下線部の内容を10字以内の日本語で説明する問5では、例年より書く字数は減ったものの、文章の内容を簡潔にまとめる力は変わらず求められました。また、本文中の空所に入る適切な語を選択する問6や、難しい単語の適切な説明を選ぶ問7など、専門的な内容を正確に読み取れたかどうかがこの大問におけるポイントと言えます。
5 物語文の読解(約840語):小問数9
葬儀屋を志す少年の物語文でした。主人公の不思議な行動や物語の背景を理解するのが難しく、広い視野を持って文章全体を読み取る必要がありました。本文中に登場するものを具体的に日本語で答える問8では、答えとなる表現がそのまま書かれていないため、断片的な情報を集めて答えを推測する必要がありました。
数学
1 小問集合
(1)(3)(5)式の値、(2)変化の割合、(4)連立方程式、(6)整数の6問でした。(2)は基本問題ですが、それ以外は計算が煩雑になり、ミスをしやすい問題が多いため、丁寧な処理が求められました。
2 図形系小問
(1)円、(2)(3)直線図形、(4)合同の証明でした。(1)(4)は典型問題です。(2)はさまざまな解法がありますが、深く考え込まずに、思いついた解法で丁寧に処理していくことが重要でした。(3)は問題文の意図を読み取って、適切な立式ができたかどうかがポイントでした。
3 二次関数
放物線と、平行な直線によって作られる図形に関する大問でした。すべて典型問題なので、ほかの大問にかかる時間を考慮すると、この大問は短時間で処理し、完答を目指したいところです。
4 空間図形
正四角錐の内部にできる線分や立体図形に関する問題でした。(1)は基本問題です。(2)は煩雑な解答で不安に思った受験生も多かったことでしょう。(3)は(2)を、(4)は(3)を活用することで答えを導くことができるため、(2)以降は、出した答えが不安に思う数値だったとしても、自信を持って最後まで解き進められたかどうかで差がついたと思われます。
国語
1 阿古真理の文章
「ていねいな暮らし」という流行語をもとに、現代人が目指す生活について書かれた論説文からの出題です。受験生にとっても身近な内容が中心なので、総じて読み取りやすいものでした。記述2問も例年と比べてまとめやすく、確実に得点したいところでした。ただし、本文から抜き出された一文を元の箇所に戻す設問は、解答候補としてまぎらわしいものがいくつかあり、時間を取られた受験生も少なくなかったと思われます。漢字の書き取り5問や、接続語の空欄補充4問は、いずれも標準的な難度でした。
2 三羽省吾『厭世フレーバー』
久々に再会した青年と実の母親とのやり取りを描いた小説文からの出題です。一見すると登場人物の心理は分かりやすく示されていますが、表面的な理解だけでは正解できない設問もあり、慎重に対応する必要がありました。例年2問出されている記述は1問に減ったものの、抜き出しの難度が高かったため、大問全体で要する時間はそれほど短縮されていません。
3 『堤中納言物語』
2021年の古文と同じ出典で、2024年は「虫愛づる姫君」という高校入試でしばしば見られる短編の一節からの出題でした。例年通り出された動作の主語を判定する記号選択は、本文全体で主語の省略が多かったため、苦戦した受験生が多かったと考えられます。男が和歌に込めた、表面上とは異なる本当の狙いを答える記述も、本文中から根拠を拾いづらい難問でした。古文単語に関する4問については、このうち基礎的な2問を着実に正解したいところです。
理科
1 地質、岩石(地学)
地層や岩石に関する基礎知識の問題と、地層の重なりについての標準レベルの問題です。(8)は類題の演習経験があるかどうかで差がつきやすかったと思われます。知識の問題は取りこぼしを最小限に抑えたい内容でした。
2 微生物、顕微鏡、動物、生殖(生物)
微生物や顕微鏡、動物の分類、生殖についての基礎知識の問題と、動物の行動に関する仮説検証実験に関する応用的な問題でした。(1)~(7)では、一部普段目にしない図がありましたが、基礎的な知識が身についている受験生であれば対応できたと思われます。(8)は、ほぼすべての受験生にとってなじみがないだろうテーマについて、論理的に考える必要があり、高い分析力と記述力が求められました。
3 気体、化学変化(化学)
気体についての標準レベルの知識問題と、混合気体の燃焼についての標準~応用レベルの計算問題です。問題文から化学反応の様子を正しく読み取ったり、細かい計算を求められたりするので、落ち着いて丁寧に対応する必要があります。(8)は見慣れない条件が与えられたため、難度が高かったと思われます。
4 電流(物理)
電流に関する知識や計算を要する標準~応用レベルの問題です。(2)~(4)は、抵抗の条件を変えた実験について、得られた結果を分析する問題でした。ここでの解答を用いて(5)~(7)に取り組むという流れだったため、前半を注意して解答する必要がありました。(7)は、条件に合う回路を考えながら解く問題で、高い分析力が求められました。
社会
1 地理総合
エネルギーを題材に日本地理、世界地理について、統計の分析や正誤判断などさまざまな形式で出題されました。エネルギーに関連する基本的な知識とそれをもとに統計を読み解く力が求められました。近年出されていた地形図に関する問題はありませんでした。表を読み解いて解答するだけでなく、なぜその解答を選んだかを記述するといったより深い理解を試されるものが出題されました。
2 地理・公民総合
大阪・関西万博を題材とした総合問題でした。問題数こそ少ないものの、時事を問うものやその場で与えられた資料を見て考えるものなど、出題内容は多岐にわたっていたため、受験生にとっては解答を絞りにくい大問であったと言えます。
3 歴史総合
日本史とそこに関わる世界史からの出題でした。各年代から出題されていましたが、特に近代以降からのものが目立ちました。さまざまな資料が用いられていましたが、教科書やほかの学校の入試問題などでよく目にするものがほとんどであったため、日頃から資料をしっかりと参照して学習を進めていたかどうかが重要でした。
4 公民総合
2023年の出来事を題材とした国際政治・経済に関する出題でした。時事に関するものやニュースでよく耳にする用語を問われ、受験生の興味関心の深さを測る問題が出されました。